~脳腸相関~ 内臓と脳の関係とは
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受験や試験など、プレッシャーや緊張を感じると、お腹が痛くなったり、下痢になってしまう。
些細ななことでストレスを感じ、イライラしたり、落ち込んでしまう。
一般的に、このような悩みをもっている人は、自分の「思考回路」に原因があると考えます。
しかし、近年では、ストレスの感じ方は「腸の状態」によって、大きく左右されると言われています。
さらに、「不安・焦り・緊張・恐怖」といったストレスは「腸」でコントロールすることもできると言われています。
突然、言われてもピンとこないかもしれませんが、
それが、今回のテーマでもある「脳腸相関」という言葉です。
今回はこの「脳腸相関」について、簡単にまとめてみました。
目次
なぜ脳と腸は密接に関連しているのか?【脳は腸から生まれた】
脳は発生学的には「腸から生まれた」と言われています。
そのため、「脳→腸」「腸→脳」といった一方的な関係性ではなく、
「脳⇔腸」といった双方向的な関係性が特徴です。
これが、『脳腸相関』という意味です。
例えば、食生活が乱れて便秘状態が続けば気持ちがイライラしてきます。
逆に、気持ちのイライラが腸に影響してお通じが悪くなることもあります。
・脳の具合が悪い=腸の具合も悪い ・脳の具合が良い=腸の具合も良い
・腸の具合が悪い=脳の具合も悪い ・腸の具合が良い=脳の具合も良い
といった関係性になります。
この関係性があるため、腸内ケアがストレス緩和(ストレス耐性を強めること)に繋がると言えます。
腸は体の中でもっとも起源が古い器官で、原生生物がはじめに獲得した臓器が「腸」になります。
「食べる→吸収する→排泄する」というシンプルな活動しかしない原生生物は、やがて腸周辺に神経細胞をもち、腸の動きをコントロールするようになりました。
そして、この神経細胞から「脊髄」ができ、さらにそこから「脳」ができたと言われています。
つまり、脳は腸の神経細胞から「のれん分け」をされたと言えます。
例えるならば、腸が「本家」で脳が「分家」ということになります。
生物は脳を獲得するまでの長い間、腸で生き、腸で思考してきました。
腸は独自に判断することもできる【第二の脳と呼ばれる】
腸には約1億もの神経細胞が存在し、脳からの指令がなくても自律的に判断して、他の臓器に直接働きかけることができます。
例えば、食べ物に毒が入っている場合、腸は、すぐに拒絶反応を起こし、嘔吐や下痢を起こして体内に毒が巡らないようにします。
逆に、脳は、毒であっても、それが体にとって安全なものかどうかを判断することはできません。
このようなことから、腸は第二の脳(セカンドブレイン)とも呼ばれ、脳とならぶ体の司令塔として存在しています。
ストレスと腸の関係性【セロトニンの役割】
近年、社会や環境の急激な変化によって、多くの方がストレスにさらされやすくなっています。
ストレスは、体に様々な不調をもたらすと同時に、精神状態も不安定にします。
不安定な精神状態が長く続くと、やがて「うつ病」になり、生活に支障をきたすようになります。
しかし、脳内に「セロトニン」という物質が十分にあれば、精神状態を安定させてくれます。
腸内細菌がセロトニンの原料を作っている
精神状態を安定させる有用な物質であるセロトニンは、主に「腸内細菌」によって作られています。
セロトニンは人間の体内には10mgほど存在していて、その分布割合は次のとおりです。
・腸──約90%
・血小板──約8%
・脳──約2%
圧倒的に腸に多く存在していることが分かります。
それに対して脳はたった2%しかありません。
この2%という割合が減少しないように、腸内細菌の活動をサポートすることが重要になります。
腸内細菌は『腸内フローラ』とよばれる菌の密集エリアで活動しています。
ここを整えてあげることで腸内細菌が活性化し、セロトニンの生成(合成)がスムーズになります。
腸内細菌のすみか「腸内フローラ」とは
人間の腸には500~1,000種類、約100兆もの腸内細菌がすんでいるといわれています。
腸管の中では、さまざまな腸内細菌が菌種ごとに塊(グループ)をつくっていて、それらの塊が腸管の内壁にすきまなく張りついています。
そのエリアは、まるでお花畑みたいに見えるということから『腸内フローラ』と呼ばれています。
腸内フローラを整えて「すこやかな脳」に
ストレスやうつ病の発症を抑制する物質「セロトニン」
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セロトニンの原料をつくる「腸内細菌」
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腸内細菌の住みかである「腸内フローラ」
つまり、ストレスに強くなるには、『腸内フローラ』を整えることが重要です。
腸内フローラが整うと、
・菌種バランス(菌種比率)の適正化
・体によい菌の増加
・体によい菌の活性化
などが見込めます。
腸内フローラを整えるには、不規則な生活リズムや乱れた食生活などの改善が必須です。
また、当院では、その腸内フローラを整えるための治療、内臓調整を行っています。
まずは腸内細菌の種類とそのバランスを知る
腸内細菌は、作用によって「善玉菌・悪玉菌・ひよりみ菌」の3種類に分類されます。
理想的な存在比率は「善玉菌2・悪玉菌1・ひよりみ菌7」です。
悪玉菌は食べ物の消化や吸収を助けたり、免疫機能を高めたりする一面もっているため、撲滅せずに「少なく共存」させておくことが理想的です。
善玉菌(有用菌)
・ビフィズス菌(乳酸菌の一種)
・フェーカリス菌(乳酸菌の一種)
・アシドフィルス菌(乳酸菌の一種)
善玉菌は「腸内を弱酸性に保つ」という働きがあります。
またビフィズス菌に関しては、セロトニンの産生にも関連があるといわれています。
悪玉菌(有害菌)
・大腸菌(有毒株)
・ブドウ球菌
・ウェルシュ菌
悪玉菌は腸内の食べカスを腐敗させて、毒性物質(硫化水素やアンモニアなど)を作りだし、腸内をアルカリ性にします。
ひよりみ菌
・大腸菌(無毒株)
・バクテロイデス
・連鎖球菌
基本的には善悪どちらにも属さない菌ですが、腸内でどちらか優勢な方に加担する形で自らの属性を変化させます。
腸内フローラを整える食べ物【腸内細菌を意識した食生活】
「腸内フローラを整える」には、次の食品群がオススメです。
・プロバイオティクス
・プレバイオティクス
・シンバイオティクス
プロバイオティクス
プロバイオティクスは「善玉菌を多く含む食べ物」のことです。
・納豆
・キムチ
・ヨーグルト
・チーズ
・ぬか漬け
・みそ
善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌など)を多く含む食べ物をとることで、善玉菌の数量アップが期待できます。
プレバイオティクス
プレバイオティクスは「善玉菌を育てる食べ物」のことです。
・ブロッコリー
・しいたけ
・キャベツ
・たまねぎ
・とうもろこし
・ワカメ
オリゴ糖や食物繊維(水溶性食物繊維・不溶性食物繊維)を多く含む食べ物をとることで、それらが善玉菌のエサとなり菌の活性化が期待できます。
シンバイオティクス
シンバイオティクスは、プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせた食品群のことです。
組み合わせて食べることで、2つの効果がねらえると同時にそれらの相乗効果も期待できます。
腸内ケアには「水をのむ習慣」も大切
腸内環境を常に整えておく基本的なことは、「毎日の良好なお通じ」です。
毎朝、起床時にコップ1杯の水を飲むと、大腸に「ぜんどう運動を起こせ(動きだせ)」という命令が送られ、排便を促してくれます。
また、日中においても水分が少ないと便が硬くなるので、1日1.5~2Lの水を何回かにわけて摂取すると良いです。
治療方法
脳と腸は、密接かつ相関関係にあり、腸内環境を整えることで、脳に良い影響をもたらします。
脳に良い影響をもたらすことで、ストレス耐性が上がり、うつ病などの自律神経系の疾患に対して改善が望めます。
そのためには、前述したように、腸内環境を整えることが第一となります。
腸内環境を整えるには、食生活と排便が重要になります。
しかし、いくら体に良い物を食べていても、その良い食べ物を吸収・還元できる内臓・腸の力が無いと意味がありません。
当院では、その内臓・腸の動きを活性化させ、身体にとって良い物の吸収率を上げ、そのまま身体の機能に還元できるようにする、
内臓調整治療
を行っています。
この治療により、前述したように、内臓と腸の働きを活性化させ、そのことにより、脳の働きも活性化することができ、
自律神経の疾患に対し、予防と改善が望めます。
薬を飲んでも良くならない、
良い食べ物を摂取するように心掛けているのに変わらない、
運動・ストレッチ、趣味など、ストレス発散をしているのにストレスが溜まっていく、
などのお悩みをお持ちの方は、
そもそもの内臓や腸の働きが弱く、
折角の身体にためになることや、身体に良いものを摂取していることが、
効果を成していない可能性があります。
自律神経の疾患でお悩みの方、
何をしても変わらないという方、
ストレス、疲れが取れないという方、
ぜひ、一度、当院の内臓調整治療を受けてみてください‼
お身体の中から、根本的に改善することができます♪